食品加工残渣由来のバイオエタノール製造技術に関する共同検討を開始~革新型技術企業S-Bridges社と非可食原料から効率的な製造プロセス構築へ~
2025年9月1日
コスモエネルギーホールディングス株式会社
S-Bridges株式会社
コスモエネルギーホールディングス株式会社(代表取締役社長:山田 茂、以下「コスモエネルギーホールディングス」)とS-Bridges株式会社(代表取締役:長門 貴、以下「S-Bridges」)は、食品加工残渣由来のバイオエタノール製造技術の開発に向けた共同検討に関する契約を2025年9月1日に締結したことをお知らせします。
■検討の背景
S-Bridgesは、静岡大学発のベンチャー企業で、廃棄物を未利用資源として100%有価物化することをめざしており、食品加工工場で排出される茶殻やコーヒー殻などの食品加工残渣を含む無消費素材からタンパク質、液肥原料などの有用成分を抽出する「Cell Breaker®」システム(以下「CBシステム」)を有しています。
このCBシステムによる有用成分の抽出工程では、セルロース系繊維が副次的に得られます。コスモエネルギーホールディングスは、このセルロース系繊維を非可食由来のバイオエタノールの原料として活用することに着目しました。
バイオエタノールは、燃料や化学品の原料として幅広く活用され、カーボンニュートラルの実現に貢献する物質として注目されています。現在主流の製造方法では、トウモロコシやサトウキビなどの食料作物を原料とするため、食料との競合が課題です。一方、次世代型として期待される木材や紙パルプなどを原料とする方法は、広域な原料収集が必要となり、安定供給やコスト面に課題があります。
■共同検討の概要
コスモエネルギーホールディングスとS-Bridgesは、工場から本来廃棄されていたはずの食品加工残渣を活用し、副産された繊維を原料とするバイオエタノール製造の可能性を共同で検討していきます。本共同検討では、工場で排出される食品加工残渣を用いることで原料の集積が不要となり、さらに有用成分と同時にセルロースが副次的に得られるため原料コストの低減が期待されます。
また、CBシステムによりセルロースが糖化しやすい状態で得られるため、前処理・糖化工程のエネルギー消費を抑えエタノール収量を高められることから、経済性の高いエタノール製造プロセスの構築が期待されます。
両社は将来的には、国内の食品・飲料メーカーの工場へ展開することで、各工場でエタノール製造を可能とし、非可食・国産由来の安価なエタノール供給に繋がるビジネスモデルの構築をめざします。これにより、国内資源の有効活用を通じた資源循環の促進と、国産エネルギーの供給によるエネルギーセキュリティの向上に取り組みます。
共同検討のイメージ
<会社紹介>
●コスモエネルギーグループ
コスモエネルギーグループは、「2050年カーボンネットゼロ」を宣言し、Vision2030および第7次連結中期経営計画 Oil&New ~Next Stage~ にて脱炭素に関する取り組みを加速させています。本件は、Vision2030に掲げる「石油事業の競争力強化 低炭素化」に資する具体的施策の一つです。「私たちは、地球と人間と社会の調和と共生を図り、無限に広がる未来に向けての持続的発展をめざします。」というグループ理念のもと、社会的課題の解決と企業の持続的発展をめざしてまいります。
●S-Bridges株式会社
S-Bridgesは国立静岡大学発ベンチャー企業として「植物素材を全て使い切る」Bio Material Transformation(Green Tech)事業を通して、はじめにドリンク原料市場においての完全サーキュラープラットフォームを構築いたします。また、継続してNature Positiveを実現化するプラットフォームを構築し、持続的発展可能な社会の構築への貢献をめざしてまいります。
Bio Material Transformationのイメージ
<S-Bridges 会社概要>