次世代の航空燃料
「SAF」に込めた
コスモの想いとは?コスモの社員に中学生記者がインタビュー

読売中高生新聞
天ぷら油(使用済みの食用油)で飛行機が飛ぶ!?

「夢の新エネルギー」
日本初の量産化を実現!

環境にやさしい次世代の航空燃料として注目されている
「SAF(持続可能な航空燃料)」。
日本で初めてSAFの量産化を実現したコスモを2人の中学生が訪ね、
SAF事業を担当する岸和田宏一さんに取材しました。

INTERVIEW

環境を守る取り組みは
30年以上前から

Hさん

Hさん

僕は環境問題、特に地球温暖化に関心があります。コスモさんは地球温暖化を防ぐためにどのような取り組みをされていますか?

岸和田さん

岸和田さん

コスモはこれまでも、石油を扱う会社として、CO₂を出すことへの責任を強く意識してきました。そのため、30年以上前から地球環境保護につながるさまざまな取り組みを続けています。例えば海外でのマングローブ植林や、ゼロフレア活動(製油所で発生するガスを無駄に燃やさず有効活用すること)があります。さらに、太陽光や風力などの再生可能エネルギーの活用にも力を入れています。

使用済みの食用油から
ジェット燃料を生産

岸和田さん

岸和田さん

その中でも我々が、多くの企業と協力して取り組んでいるのがSAFです。とても夢のある新エネルギーなんです。

Tさん

Tさん

SAFって
どのようなものなんですか?

岸和田さん

岸和田さん

SAFは「持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)」の略称で、石油ではなく、使用済みの食用油(廃食用油)や植物由来の原料などから作られるジェット燃料です。原料である植物は成長する過程でCO₂を吸収しているので、それを燃やしても、実質的に大気中のCO₂を増やさずに済むという特長があります。私たちが生産しているSAFは、製造・輸送時に出る分を含めて、従来の航空燃料に比べて約8割のCO₂削減が期待できます。

Hさん

Hさん

SAFはどうやって作って、
どのように使われるんですか?

岸和田さん

岸和田さん

まず、全国の飲食店や食品工場、ショッピングモールなどから使用済みの食用油を回収します。その後、不純物を取り除いたうえで、高温・高圧の化学反応を使って油の分子構造を変化させ、ジェット燃料に近づけていきます。この技術は「HEFA(ヘファ)技術」と呼ばれ、世界でも認められた方法です。完成した燃料は空港のタンクに運ばれ、通常のジェット燃料と混ぜて飛行機に使われます。

SAFとは、
CO2排出を
削減する
持続可能な航空燃料

「揚げ物をつくった後の油が、どうして飛行機の燃料になるの?」「ふつうのジェット燃料と何がちがうの?」
…そんな疑問に答えるため、図で分かりやすく紹介します!

【従来のジェット燃料】 石油 燃料利用 航空機 排出 CO2 従来のジェット燃料に比べ、CO2排出量を約80%削減できる 【SAF(Sustainable Aviation Fuel)】 廃食用油など 生産 SAF 燃料利用 航空機 排出 CO2 吸収 植物 加工
SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS 7 エネルギーをみんなに そしてクリーンに 13気候変動に具体的な対策を

SAFとSDGs

使用済みの食用油を再利用してつくるSAFは、従来に比べてCO₂の排出を減らすことができるため、SDGsの目標にも貢献できる環境にやさしい飛行機の燃料です。

一歩一歩着実に
世界の空で広がるSAF

Hさん

Hさん

すでにSAFで飛んでいる
飛行機ってあるんですか?

岸和田さん

岸和田さん

はい、あります。ただし日本ではまだ数が少なく、現在は従来の燃料に混ぜて使用する形が一般的です。私たちが本格的に生産を始めたことで、少しずつ増えてきています。

Tさん

Tさん

世界ではどのくらいSAFが
広がっているんですか?

岸和田さん

岸和田さん

普及率はまだ、全体の数%といわれていますが、世界各国で需要は高まっています。日本でも2030年までに現在使用しているジェット燃料の10%をSAFにするという目標があります。コスモは日本国内で初めてSAFの量産体制を整え、供給を開始した企業として、今後の拡大に貢献していきたいと考えています。

1人の想いと行動から
世の中は変わっていく

Hさん

Hさん

SAFを社会に届ける仕事を
する中で、どんなやりがいを
感じますか?

岸和田さん

岸和田さん

この仕事のやりがいは、大きく分けて2つあります。1つは脱炭素という社会課題の解決に貢献できること。そしてもう1つは「天ぷら油で空を飛ぶ」なんて想像もしていなかったことを多くの人々に知ってもらい、考え方や行動が少しずつ変わっていくのを実感できることです。

Tさん

Tさん

SAFの広がりのために、
私たちにできることって
ありますか?

岸和田さん

岸和田さん

SAFをもっと広げていくには、まず「知ること」が大切です。今日のような取材を通じてSAFのことを学び、それを家族や友達に話してくれるだけでも、とても大きな一歩になります。今、コスモでは廃食用油の回収ができるサービスステーションを増やしています。その他、ショッピングモールでも回収ボックスがあったりするので、みなさんが行動をしてくれたらさらに大きな力になります。みなさんの廃食用油で飛行機を飛ばしましょう!

取材を終えて

Hさん

Hさん

取材前は「SAFって本当に使われてるの?」と疑問でしたが、取材を通じて、実際に使用され、社会課題の解決に貢献しているのだと実感できました。SAFがもっと広がっていくのが楽しみです!

Tさん

Tさん

岸和田さんのお話を聞いて、コスモさんが環境を意識してSAFを生産していることがよくわかりました。「地球のために自分ができることは何か」を考えるきっかけになりました。

取材を終えて Hさん Tさん

地球の未来に
ますます興味が出てきた!

「読売中高生新聞」2025年9月5日号 
掲載の広告記事より転載(禁無断転載)