- ISCC CORSIA認証:CORSIAに基づくISCCによる認証。SAFの利用によるGHG排出削減効果を主張するには、国際民間航空のためのカーボン・オフセットおよび削減スキーム(CORSIA:Carbon Offsetting and Reduction Scheme for International Aviation)に基づき、国際民間航空機関(ICAO)が承認するSCSによる認証が必要
- ISCC EU認証:欧州連合(EU)の再生可能エネルギー指令(RED II)に基づいたISCCによる認証
SAF製造開始
日本初の国産SAF量産化
2025年度より、コスモ石油堺製油所で国内初となる国産SAFの大規模生産を開始しました。
航空業界では、2016年のICAO※1総会にて「2020年以降、国際航空のCO2総排出量を2019年比で増加させない」という目標が採択され、さらに2022年には「2050年カーボンネットゼロ達成」も長期目標として採択されました。これらの目標を達成する手段として、持続可能な航空機燃料であるSAFの活用が最有力視されており、国内では2030年までにGHG排出量5%削減相当のSAF供給目標が石油業界に課される見通しです。目標達成に向けて航空機燃料の約10%をSAFに置き換える必要があり、官民一体となってSAFの普及に向けた取り組みが進められています。
当社グループは2021年に、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナルとともに「国産廃食用油を原料とするバイオジェット燃料製造サプライチェーンモデルの構築」をNEDO事業の公募に共同提案し、採択されました。
このことを起点に、業界に先駆けて国産SAFの供給に向けた取り組みを進め、2025年4月から国内初となる大規模生産による国産SAF供給を開始しました。
各社がそれぞれの事業で長年培ってきた知見やアセットなどを結集することで、原料調達からSAF製造、航空会社への供給に至るまでのすべてのサプライチェーンの構築を実現することができました。今後は、バイオエタノールを原料としたAlcohol to Jet(ATJ)技術※2による製造検討など、原料や製造プロセスの多角化を図りつつ、国内のSAFサプライチェーン構築に向けた取り組みを加速していきます。
- ICAO(International Civil Aviation Organization):国際民間航空機関
- Alcohol to Jet(ATJ)技術:アルコール(エタノール)を原料に触媒反応を通じてSAFを製造する技術
SAF製造装置(コスモ石油堺製油所構内)
SAF事業の変遷
国産SAFサプライチェーン構築
当社グループは、国産SAFサプライチェーンの構築に向けて、日揮ホールディングス株式会社、株式会社レボインターナショナルとともに、各社それぞれの強みを活かしつつ、業界に先駆けて取り組んできました。2025年4月には日本で初めてとなる国産SAFの大規模生産を開始し、お客様にご利用いただくことでCO2排出量の削減にも貢献しています。
今後も、航空輸送におけるSAF利用を推進し、資源循環とサステナブル社会の実現に貢献していきます。
炭素源循環推進部 部長越川 裕生 様
国際的にSAF需要が拡大している状況下において、国産初のSAFの安定供給をめざし、原料となる廃食用油の安定調達に向けた気運醸成までを3社それぞれの強みを活かすことにより実現し、国産初の商業規模でのSAF供給を達成できたと考えています。当社は創業以来、バイオ燃料化技術の国内での普及拡大に向け、原料となる廃食用油の調達網も独自で確立してきました。
現在では、全国の飲食店や商業施設、食品工場など約38,000件のさまざまな排出事業者から調達させていただいており、今後はコスト削減のためにも効率的かつ安定的な調達に向け、エリアごとでの面効率の最大化が重要となっている中、DX化による排出先からの調達効率の最大化を図り、コストの低減と調達量の拡大を進めてまいります。
サステナビリティ協創ユニット
プログラムマネージャー
兼 合同会社サファイアスカイエナジー
最高執行責任者 COO西村 勇毅 様
2020年7月にコスモ石油様に共同での国産SAF製造の話を差し上げた時には、まさかこれほど世の中にインパクトを与える事業になるとは思っていませんでした。事業化検討を進める中で、コスモ石油様、レボインターナショナル様の担当者の方々と腹の内を見せ合える強固な信頼関係を築くことができたことこそ、国内初となるSAF供給サプライチェーンの実現に至った一番の要因であったと思います。ACT FOR SKY、Fry to Fly Projectといった私たちにしかない独自の取り組みを通じて、国産SAFの価値向上、事業のさらなる発展に貢献していく所存です。
セールス&マーケティング本部 営業企画部長小島 浩嗣 様
DHLでは全世界に先駆けSAFの環境価値を荷主に還元するDHL GoGreen Plusサービスをグローバル展開していますが、このたびコスモ石油マーケティング様を通じて中部国際空港にて初の国産SAFの供給を受けることができましたのは、日本市場でサービスを展開する当社にとって極めて大きな価値がありました。これにより、初の国産SAFの認知向上のための官民一体の取り組みの中にDHLジャパンも加わることとなり、SAFを使った当社の取り組み、コスモ石油マーケティング様との協業を市場に伝えることができました。これはまさに「一番手だから」得られる効果であり、日本の石油業界におけるコスモエネルギーグループの先見性、決断の速さがあってのことかと思います。今後とも、製造・販売のコスモエネルギーグループ、SAFを使った荷主へのサービス展開が当社との協力体制をさらに強固なものにし、環境負荷軽減を進めていければと考えます。