COSMO

コピーライター 仲畑貴志(たかし)氏インタビュー

たった8文字。そこにありったけの思いが込められていた。

コピーライター 仲畑貴志(たかし)さん笑顔の写真

コピーライター 仲畑 貴志さん

 

■なかはた たかし

1947年8月京都市生まれ。日本を代表するコピーライター。年間100本以上のコピーを手がけ、TCC賞、ADC賞、毎日広告賞、カンヌ国際広告映画祭金賞、日本宣伝賞山名賞など数多くの受賞歴を持つ。代表的コピーに当社の「ココロも満タンに」、「目の付けどころが、シャープでしょ。」「愛情一本チオビタドリンク」など。仲畑広告制作所・映像所主宰。

コピーは価値を伝える作業。
だから難しいし、けど楽しい。

 “あなたのココロが満タンになる時は?”
 「・・・難しいな(笑)」。彼は宙を見上げてつぶやいた。
 日本の広告界を代表するコピーライター、仲畑貴志さん。30数年間、変わらず第一線で活躍し続ける“巨匠”は、意外にも素朴でやさしい。自らのコピーをもじった問い掛けに困りながら、どこか嬉しそうな表情を浮かべている。

コスモ石油のサウンドロゴ「ココロも満タンに」は、1997年、彼によって生み出された。企業のCSR が重要視され始める以前のことだ。そんな時代にあって「ココロも満タンに」は、時代の一歩先を行く珠玉のコピーだった。だが仲畑さんが込めた思いは、それだけではなかった。「どんなに社会貢献をしても、モノを売る企業は、モノを売ることが核です。それはいつの時代も絶対変わらない。ガソリンを売ることで、消費者の心を満タンにできなきゃそれは本当の意味でいい企業とは言えない。だからスタンドならスタンドの、人と人との温かい心のやりとりを形にしようと思った。目に見えないけど確かに存在するそんな“実態”を言葉にして、商品に付加価値をつけたかったんです」

時折、「ココロも満タンに」のようなコピーを創ってほしいと依頼されることがあるという。しかしあのコピーはコスモ石油以外あり得ないのだそうだ。「コスモさんだから生まれた言葉ですし、コスモさんがその企業姿勢を体現し続けたから、今も言葉が響くんです。相手が変われば言葉も変わる。制作はいつもゼロからのスタートなんです」

これまで書いたコピーは何百、いや何千? その度にいつも、仲畑さんはゼロの状態から言葉を綴り続けてきた。
「コピーは思いを伝える表現です。だから難しいし、けど楽しい。クライアントの皆さんが喜ぶようなコピーを書いて“一緒に飲みに行こう”と言っていただけたら、もう、最高」

ココロも満タンに--その言葉の生みの親は、自らの満タンを求め今も走り続けている。