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作曲家 菅野よう子氏インタビュー

感じたことを音にする 本音の音楽だから、心に響く。

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作曲家 菅野 よう子さん

 

■かんの ようこ

作曲家。早稲田大学在学中「てつ100%」のメンバーとしてCBSソニーよりデビュー。解散後、数多くのCM音楽、ゲーム音楽、映画音楽などで作曲・編曲・プロデュースワークを行っている。CM音楽の分野では、JR東日本で広告音楽大賞競技会金賞受賞、サントリービタミンウォーターでCM音楽の最高峰とも言える三木鶏郎広告音楽賞を受賞。既存のジャンルにとらわれない自由に満ちた音楽性に、国内外を問わず多くの信奉者がおり、楽曲制作依頼は後を断たず、スケジュールは数年先まで予約済。

音楽は、感情を表現するもの
心からあふれでてきます

コスモ石油のテレビCMでBGMに使われている、シンプルでやさしいメロディ。テレビの向こうから聞こえてきた途端、時間の流れがゆっくりとスピードを落とし、ずっとこの心地よさに身を任せていたくなる。そんな音楽の持つ力を感じずにはいられない曲「seeds of life」を作曲したのが、菅野よう子さん。菅野さんご自身もきらきらと明るくて、ずっと話していたくなるような人だ。

 

 菅野さんはこれまで、500本以上のCM音楽を作曲してきた。CM音楽を作曲するときその会社の持っているたたずまいを想像し、その会社で働く人たちが、自分たちの会社を誇りに思えたり、元気が出たりするような曲を作るよう心がけているという。 「『seeds of life』は、地球環境に優しいイメージを小さな女の子の目線で表現した曲。種のような小さなものも、ちゃんと地球の力になっているということを伝えたいと思いました」。

 

 菅野さんは、物心ついたときから作曲家だった。
 「2歳くらいにはすでに、しゃべるより、曲を作ったりピアノを弾いたりするほうが楽だったんです。近所のかっこいい男の子のことを、かっこいい!とか、好きとか、口に出して言えなくて・・・だから、自分が感じた思いを曲にして、振り付きで歌いながら表現していました。もちろんバレバレなんですけどね(笑)」。

 

 菅野さんにとって音楽は感情を表現するもの。今でも作曲の方法は、子どものときから変わらない。何かをみたら、必ず何かを感じる。すると、自然と音楽があふれ出す。そんなとき、菅野さんのココロが満タンになる瞬間だ。

 

 そんな菅野さんでも、クライアントの意向や制限時間など、いろんな制約があるときは、バリアがかかって音楽が生まれてこないことがあるという。「そんなときは、言われたことはいったん全部忘れて、感じたことをそのまま曲にします」。菅野さんの音楽は、全部本音だ。だからココロにじんと染みるし、聞いていて気分がいい。

 

 「seeds of life」も菅野さんがコスモ石油から感じた印象をもとに、本音で作曲した曲だという。「この曲を聴くことによって皆さんが元気になってもらえればいいなと思います」。