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2000年度決算 アナリスト向け説明会概要

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代表取締役会長兼社長 岡部敬一郎

経営方針説明~新2ヶ年経営計画「価値創造21」

2001年度3月期の決算で、当社は単体の営業利益で前年比215億円増という成果を挙げることができました。資産評価法の変更の影響を差し引いても137億円の増加となり、これまでの大胆な改革施策が実り、体力がついてきた結果であると考えております

現在の石油産業を取り巻く状況を見渡しますと、原油市場は1バレル当たり27ドル前後で推移していますが、30ドル以上が妥当だとする産油国も一部にあり、なお予断を許さない状況です。当社は、今後また原油価格が上昇したときにも、原価代金から精製コストを適正に加算した製品価格を形成していく体制を作っていかなくてはならないと考えています。

供給面では、今後とも輸出入を効果的に組み込みながら、需給を引き締め、適正な在庫管理を徹底していくことになるでしょう。販売の最前線では、適正な価格形成のベースになる、特約店との取引における価格先決め・フォーミュラ化を実施しています。特約店の皆様と当社の双方にとって、明確な目標のもと競争に勝ち抜くための基礎となるものと確信しています。

価値創造21は、販売面の更なる強化を基軸として、あらゆる部門で2年間で500億円の付加価値向上と合理化を推進するための2カ年計画で、今年度がそのスタートとなります。

この計画では、ゴールビジョンである「最強のコスト競争力を持つコスモネットワーク」、「真に顧客に愛されるコスモネットワーク」の確立・定着をにらみ、6つの「No.1」を目指す目標を掲げました。自然環境対応では、すでに国内の環境対応のみならず、アブダビでガス再圧入による環境対応型油田運営をスタートさせるなど、海外での事業活動でも評価を高めています。また顧客満足度では、当社が特約店と一体となってダイアログ(対話)型のコミュニケーションを図ることを目指します。変化に対応する経営スピード、社員の高いモラルとその基盤となる就業環境でもNo.1となることを目標とし、これらを実践する事により、収益力No.1を目指します。

経営計画ではまた、ROE10%、自己資本比率20%、有利子負債依存度40%という3つの目標を掲げています。これを可能にする単体ベースの経常利益のラインが300億円になります。

価値創造21は、効率化推進から一歩先を見て、新しい付加価値を創造するためのさまざまな施策を盛り込んでいます。販売の最前線では、発行枚数240万枚、稼働率約70~80%と高稼働率を誇る当社のコスモ・ザ・カードの機能をさらに高め、ETC(有料道路自動料金収受システム)対応化やオンラインショッピング会社とのマイレージ提携を開始します。またカーケア・コンビニエンスB-cleのネットワーク展開を一層進め、サービスステーションからトータル・カーケア・ステーションへの変革を図ります。これらの施策を推進する当社のSS経営指導要因であるコスモ・スーパーバイザーをさらに実力アップし増員を図ります。

説明会の会場風景の写真

また、バランスシートのスリム化では、これまでに成功を見たSSの証券化の第2次展開の可能性や、遊休地の有効活用・売却も視野に入れ、有利子負債依存度40%を達成するための、有利子負債4,000億円レベルまでの圧縮が当面の目標になります。

日石三菱との提携では、原油タンカーの部門の統合、国内物流部門ですでに大きな効果をあげていますが、今後、精製部門などでも提携効果強化策を検討していきます。

原油開発部門では、アブダビ石油での安定した生産の継続とともに、合同石油整理の後、再開発・再生産のチャンスも狙います。また、順調に進んでいる豪州西北部での油田開発も、さらなる展開をしていきます。

総合エネルギー事業の展開では、電力卸売り、コージェネレーションシステムを含む分散型電源など、石油製品を燃料とする電力事業展開のほか、LNGの受け入れ・販売事業も開始しています。また、研究開発分野では、天然ガスを化学的に液体に変える「GTL」の研究開発や、既存設備を生かして石油製品の白油化を進めるための触媒の改良・開発などにも、当社の研究開発力を生かし、環境への配慮という事を常に意識しつつ、今後もさらに積極的に取り組んでいくことになるでしょう。

代表取締役会長兼社長 岡部 敬一郎の写真