COSMO

石油製品の環境対応

取り組みの考え方

石油業界では、これまで、重油脱硫装置への投資、自動車用燃料(ガソリン、軽油)の環境負荷低減、あるいはガソリンへのバイオETBE導入による温室効果ガス排出低減、等の様々な環境対策に取り組んできました。当社グループのコスモ石油では、これらの石油業界の取り組みに足並みを揃え、各種石油製品の環境対応を実施しています。

 

石油業界では、2007年よりバイオETBE配合ガソリンの試験販売を行うなど、バイオマス燃料の導入に取り組んできたなか、2011年度からバイオマス燃料の導入が法制化(エネルギー供給構造高度化法)されました。こうした動きに合わせて、2007年1月にバイオマス燃料供給有限責任事業組合が設立され、バイオマス燃料の調達と供給を行なっております。コスモ石油は組合員として参画しています。

 

バイオマス燃料供給有限責任事業組合

バイオETBEの配合

植物は成長過程で光合成によって大気中の二酸化炭素(CO2)を吸収しているため、植物を原料とするバイオマス燃料を燃焼させた場合、生成するCO2は、大気中の増加排出量とはみなされません(カーボンニュートラル)。そのため、植物由来生まれのバイオエタノールを原料として生産されるETBEをガソリンに配合することで、燃焼によるCO2増加を緩和する効果があります。
コスモ石油では、2010年よりバイオETBEを配合したガソリンの生産、供給を開始しています。
2022年度にガソリンに配合したバイオETBEは27.7万KLであり、バイオETBE混合によるCO2削減貢献量を▲19万t-CO2と算定しています。

 

バイオマス燃料供給有限責任事業組合 バイオガソリンとは

持続可能な航空燃料(SAF)への取り組み

航空業界では、「2021年以降、国際航空のCO2総排出量を2019年対比で増加させない」という目標を2016年に開催されたICAO※1総会にて決定しており、この目標を達成する手段の一つとして、SAF※2の活用があげられております。国内においても2030年までに国内航空会社の燃料使用量のうち全体の10%をSAFに置き換えるべく、各省庁と民間企業が連携して取り組みを進めています。
このような環境の中、コスモ石油は2030年のSAF供給目標を「年間30万KL」と定めました。

 

製油所での使用済み食用油を原料としたSAF事業化(2021年7月NEDO事業採択※3)や、バイオエタノールを原料としたAlcohol to Jet(ATJ)技術による製造検討をはじめ、原料や製造プロセス等の多角化を図りながら、国内におけるSAFサプライチェーン構築に取り組んでまいります。

※1 国際民間航空機関(International Civil Aviation Organization)

※2 持続可能な航空燃料(Sustainable Aviation Fuel)

※3 国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構による公募事業
「バイオジェット燃料生産技術開発事業/実証を通じたサプライチェーンモデルの構築」

バイオディーゼルの供給・販売

コスモ石油マーケティングは、2023年1月中旬より、近畿エリアでの石油製品輸送を担当する専属契約タンクローリー等の走行用燃料を、CO2削減効果のある再生可能資源由来の燃料(以下、バイオディーゼル)に全面的に切り替えました。
このバイオディーゼルは、株式会社レボインターナショナルが国内の廃食用油を自社調達し製造・加工したもので、コスモ石油が精製・製造した軽油に、レボインターナショナル「C-FUEL」※1を5%混合したものです。従来の軽油と比べてCO2排出量を削減できると同時に、揮発油等の品質の確保等に関する法律(品確法)における軽油の強制規格もクリアしており、新商品「コスモCF-5」として供給を開始いたしました。
まずはコスモ石油株式会社堺製油所から近畿エリアへの石油製品輸送を担当するタンクローリー約50台と堺製油所構内の作業車両等において継続的に使用することでCO2の削減に取り組みます(これによるCO2削減効果は年間約159tCO2と算定)。

※1 「C-FUEL」:使用済み食用油から100%リサイクルされたバイオディーゼル燃料。植物油にメタノールを加え化学反応(エステル交換反応)によってグリセリンを取り除いて精製した軽油代替燃料 。