COSMO

環境負荷低減への取り組み

取り組みの考え方

コスモエネルギーグループは、環境との調和と共生を図るとの考えのもと、事業活動から発生する汚染物質による大気・水質等の環境負荷低減はもとより、低硫黄製品、低ベンゼンガソリン、ローリー出荷設備への揮発性炭化水素(VOC)回収設備設置などの環境に負荷をかけない製品づくりや廃棄物の削減等、環境負荷を最小化に取り組んでまいりました。

各事業所においては、排ガスや排水の規制値よりさらに厳しい管理値を定め、それを遵守することで、規制値超過の未然防止に努めています。

大気汚染防止

大気汚染を防止するために、製油所では硫黄分や窒素分の少ない燃料の使用や排煙脱硫装置や排煙脱硝装置、電気集じん機の導入を行い、大気汚染物質の発生を抑制しています。また、石油製品に含まれているVOC(揮発性有機化合物)の大気への排出を抑制するために浮き屋根式タンクを設置し、製品出荷時にはベーパー回収装置を導入しています。

 

ESGデータ集:環境負荷物質:大気汚染負荷量の実績値

水質汚濁防止

精製工程からの排水には油分、臭気物質(アンモニア、硫化水素等)、浮遊物質、有機物等が混入します。製油所では、臭水処理装置、油分離装置、凝集沈殿装置(浮遊物質の除去)および活性汚泥処理装置等を設置し、水質汚濁防止に努めています。

 

ESGデータ集:水資源・排水:水質汚濁負荷量の実績値

化学物質の管理

当社グループでは、製造・使用する化学物質について「特定化学物質の環境への排出量の把握等および管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)」の法令に基づき、適正管理と排出抑制に努め、適正に管理しています。

具体的には、石油製品に含まれるベンゼン、トルエンや石油精製工程で使用する触媒に含まれる指定化学物質について、排出量および移動量を管理・監視し、毎年、PRTR法に基づく排出量・移動量の届出を実施しています。

 

グループ全体の2022年度のPRTR法指定化学物質の排出量は381t(前年比▲20t)、移動量は456t(前年比▲34t)で減少しました。

化学物質(PRTR)の排出量・移動量

(単位:t)

PRTR指定化学物質 2020年度 2021年度 2022年度
排出量 438 401 381
移動量 919 700 456

有害物質対応

ダイオキシン類の発生抑制

コスモ石油の製油所のうち、廃棄物処理施設(産業廃棄物焼却施設)を有する千葉製油所では施設の管理を徹底しております。なお「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正に伴い、廃棄物処理施設の維持管理の状況に関する情報を当社HP及び千葉製油所にて公表しております。

PCBの保管管理

PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、電気機器の絶縁油などとして使用されていましたが、その毒性が明らかになり、現在は製造や使用が禁止されています。製油所やサービスステーション(以下、SS)では、かつて使用していたPCB含有機器について、漏洩防止策を講じて保管し、法律にしたがい報告を行っています。さらに2027年までに義務付けられている無害化処理を早期に行うため、2005年から対象機器を処理事業者へ登録し、順次処理を進めております。

アスベストへの対応

2005年度に、コスモエネルギーグループが所有または賃借しているSSや製油所などの建物を対象に、アスベストの使用状況を調査したところ、露出した吹き付けアスベストを16ヵ所確認しましたが、2007年度までにすべて除去工事を完了しました。また、吹き付け以外のスレートなどの建材や製造設備にある保温材などの一部に、アスベストを含有しています。これらは成型品であり、通常の使用では、アスベスト粉じんの飛散はないと判断していますが、補修時に順次、非アスベスト製品に交換しています。そのほか、アスベスト含有製品の取り扱いについては、法律に基づいた対策を進めます。

VOCへの対応

VOC(揮発性有機化合物)は大気中で光化学オキシダントの原因物質になると考えられています。VOC排出量削減対策として、VOC回収装置の設置、浮き屋根式タンクまたは内部浮き蓋付き固定屋根タンク化、出荷時の余剰ガス回収などを行い、環境負荷低減に努めています。

 

コスモ石油では、石油業界全体で取り組みを開始した2000年度以前からVOC対策を進めており、2022年度のVOC排出量は総計で2,625tでした。

VOC排出量

(単位:t)

  2020年度 2021年度 2022年度
VOC排出量 2,452 2,591 2,625