竹林と里山の森の再生に加えて、これに繋がる「海の森」再生活動を始めました。
鎌倉の海岸の背後には、鬱蒼とした森や緑地があり、ここに浸透した雨水が地下水や川となって、森の土壌の栄養を磯の海藻へと届けています。その結果、鎌倉の海の「海藻の森」に、貴重な生態系が形作られています。
私たちは、この自然を守り、残す活動を進めていきます。
増えすぎた竹を伐って、照葉樹を植えました。
小さな子どもたちと一緒に、
多様性のある森が育っています。
プロジェクトパートナー:
一般社団法人 地球の楽校
放置された鎌倉の竹林を地域住民で間伐し、自然の力で元の森に戻す
古都鎌倉の丘陵は、照葉樹が多く、CO2の吸収量が非常に多い森でした。しかし管理が行き届かず、育ちすぎた木々は暴風雨の際には倒木の危険にさらされます。さらに増え続けた竹林の影響で、ここに棲む生物種が減少するという問題も発生しています。そこで、照葉樹林内への竹林の侵入を防ぐ取り組みがはじまりました。鎌倉市はもとより、全国的にも同様の問題が深刻化しているため、竹林の伐採活動と並行して、啓発活動にも力を入れていきます。
竹を間伐した跡地に生えた稚樹を保護し
鎌倉の生まれのクヌギの苗を植えています。
鎌倉の森を再生するために、今年も竹林の間伐や整備を行いました。春にはタケノコと若竹間伐をし、この竹材を使ってメンマづくりなどのワークショップを開催しました。
間伐だけでなく、月2回、森の再生エリアを見周り、外来種の除草作業もしています。初夏までに延べ50名近くの市民が参加し体験しました。
これらの活動によって、森と竹林の間に新たな空間が生まれています。そこに地元の幼稚園の子どもたちとドングリから育てたクヌギの苗も植樹しています。
6年続けてきた竹林の整備は、ようやく森が再生し景観を整える段階に入りました。
竹林整備の参加者 320名
冬から春にかけての竹林整備作業は、晴れていると、とても気持ちの良い時間になります。
斜面ではいち早くスミレが咲きほこり、再生してきた稚樹は、冬の眠りから覚め、小さな蕾が黄緑色の芽吹きになり、あたりを賑やかにしています。
切り開いた尾根筋からは、フクロウの鳴き声がきこえ、アオゲラも鋭い声で縄張りを主張し始めています。近くでコジュケイの雄同士の喧嘩がおこり、大きな声をあげながら私の足元をバタバタと駆け抜けていきました。
2月15日、コスモアースコンシャス アクト クリーン・キャンペーンin横須賀にて「竹のコースターつくりと竹林と地球環境を考える」ワークショップを実施しました。竹林から切り出された竹材が美しい竹ヒゴになり、それを編むとおしゃれな作品になります。参加者皆さんの笑顔が、地球の良き未来に繋がるよう心を込めて開催しました。
12月、正月飾りを創る活動をおこないました。子ども達は、竹や松を組み合わせ、歳の神様をお迎えし、悪いものを祓うというお話を聞いてから、竹林へマダケを取りに行きました。それを切り出し洗って正月飾り創りの開始です。ちょっと難しい斜め切りをした竹を立て、想像力を膨らませて、自分だけの正月飾りを作り上げていきました。
幼稚園の園児達と、ドングリから発芽した稚樹を移植し育てる活動をしました。子どもの背丈を超える高さの草を刈り取り、クヌギの稚樹に光を当てる作業に取り組みました。
子どもたちの大活躍のおかげで、稚樹を無事レスキューできました。最後は北風が入らない場所に集まり、ドングリと森の生き物の紙芝居を読み聞かせして、活動を終えました。
竹の活用を広めることで、竹の問題について知っていただくことと、森の大切さと魅力を知っていただくことを目的にした活動が市内で広く周知され、体験型を交えた講話のリクエストが増えてきました。10月5日には、鎌倉市内の小学校PTAと共催で、親子で参加する「竹で作って遊ぼう」の講演とワークショップを実施することができました。