森づくりで生まれた湧水によって多年草化した稲への問い合わせが多くなっています。
冬場も水を湛えている田んぼには、魚も泳ぎ、鴨もいます。お米と魚や肉が収穫できる田んぼになるかもしれません。森は、水源ができることで、木質バイオマスエネルギーだけでなく、果樹、田や畑、蜂蜜といった”食”も支えてくれます。
森づくりの範囲を広げ、間伐材や湧き水などの
山にある資源を活かしたログハウス建築や
サウナイベントなど自然の恵みを感じられる機会をつくりました。
プロジェクトパートナー:
認定特定非営利活動法人 グリーンバレー
過疎化により放置されていた里山を、地域住民の力で再生する。
徳島県の神山では、住民の高齢化や生活スタイルの変化によって、集落に近い針葉樹林でも整備が行き届かず、田畑の獣害防止や土砂災害防止の機能、さらにはCO2の吸収能力まで低下していました。その里山をもう一度、さまざまな人が集う場にしていくために、NPO法人グリーンバレーは長年ボランティアによる森づくりに取り組んできました。そして、2016年からエコ基金の支援がスタート。これまで実施してきた間伐など森を整備する活動に加え、新たに間伐材を活用できるサウナや、森の中にログハウスをつくるなど目に見える変化を通じて地域住民の意識を高めるための啓発活動を行います。
けん引機の導入で作業の効率もアップ!
森の副産物を学ぶ勉強会も盛況です。
これまで人力で行ってきた森の整備に小型のけん引機を導入しました。当初は機械に振り回されていましたが、現在は使い方にも慣れて作業スピードも向上し、達成感も得られるようになっています。整備によって流れやすかった土が安定し動植物も増えました。しかし、湧水量が増えたことで作業道が浸食される面もあり一喜一憂しています。
食べられる森をめざした整備では伐採や抜根を行い、植える木も慎重に選びました。湧水による農作物の栽培や、森のサウナ、ログハウスなど森の副産物を活用する勉強会も開催し、さまざまな世代が森の学び場に集まっています。
間伐材の活用 100%
植林に向けた伐採作業 280㎡
森づくり体験は、リピーターで賑わっています。
今月は、10年間で5回も体験に参加しているカナダのご家族もいらっしゃいました。4日間にわたり、竹炭を焼いたり、丸太を運んだり、発酵熱での椎茸づくりを体験したり、ニホンミツバチの巣箱設置を体験したりと盛りだくさんでした。
今年は2月になっても森の水源は水が豊かで、カエルの卵がいっぱい浮いています。白鷺が二羽、青鷺が一羽、常駐するようになり、飛びながらカエルの卵を落としてゆきます。
「食べられる森」に向けて果樹を剪定し、新たな果樹を植えました。
このところ薪ボイラーを検討している方の訪問が多くなっています。
ウィンチによる木材の搬出で忙しくしています。木材は、隣町の古民家の床のリノベーション材となったり、新築のお家の柱やログハウスの材となったりします。来月には、オルタナティブスクールの新校舎のための建材を出すお手伝いをすることも決まりました。これまでの燃料としての薪づくりに加えて、お役にたてるところが増えてきて、嬉しい限りです! 写真は、2025年の初日の出です。
間伐シーズンの真っ只中です。改築と新築予定の家が一軒ずつあります。そのおうちを建てるご家族にも木の搬出体験をしてもらうことによって、家への愛着を持ってもらえたらなと思っています。12月21日には、隣の佐那河内村の有機生活庵にて、大きな炭焼き釜を使っての竹炭づくりに参加しました。荒れた竹林から切りたての青竹をぎっしりと釜につめこみ焼きました。
暗かった森が明るくなり、苔も増え、元水源地からはコンコンと水が湧き出るようになりました。昨年度までは秋口以降、水量が減ってしまっていたのですが、今年度は秋になっても水量と水圧が下がりませんでした。喜ばしいことですが、水が周囲の石垣や作業道を侵食し始めたため、これ以上侵食されないように土木作業を行うと同時に、排水システムの大切さがよくわかりました。これからの森づくりで更に水が増えることも考えて、昔の地図を参考にして、水の経路を考え直すことにしました。
間伐をすすめて10年となる場所に、花や実物やキノコが増えただけでなく、これまで雨がふるとドロドロになっていた場所に苔がびっしりと生え、大雨の日でも靴が汚れなくなってきました。有事の際に水道水ではなく、山の湧水を活用するワークショップが好評なので、今後、増やしてゆこうと考えています。11月にアーティストインレジデンスのアーティストが、森の音を録音して音楽会を開きます。音楽会に向けて10月31日に一緒に背負子で丸太を運んで、植物と鳥と昆虫の観察会を行いました。