ナラ枯れによる立ち枯れ木の伐採作業と、盛土された箇所に生育したスギの伐採を行いました。
過去、工事等で盛土された場所は地盤が緩く、スギ等の針葉樹の場合は風などの影響で倒れやすくなります。
大きく育ちすぎる前に間伐することで、倒木による被害を事前に防ぐことができます。
森・里・川・海がつながった地域づくりに挑戦。
広く情報発信していきます。
プロジェクトパートナー:
特定非営利活動法人 森は海の恋人
舞根地区の小さな流域圏で森・里・川・海のつながりを伝え、世代を超えて継続する環境保全の仕組みをつくる。
カキやホタテの養殖などで知られる三陸海岸。その海の恵みの秘密は、実は森にあります。森の豊かな栄養分が河川などによって海に運ばれ、カキなど海の生き物の栄養源になっているのです。そのことを実感できる三陸沿岸部での、森づくりや体験学習などを、エコ基金ではこれまで支援してきました。本年度からはさらに、森・里・川・海のつながりがもたらす地域づくりのモデルを示し、発信していくことを目的に活動を展開。舞根地区の小さな流域圏で、地域に浸透し、かつ世代を超えて続いていく仕組みづくりをめざしていきます。また、活動をより広く知ってもらうための情報発信に力を入れていきます。
明るくなった森に植生も少しずつ回復し、
流域のエコツーリズム計画も進めています。
COSMOエコ基金の支援で、今年も無事「森は海の恋人植樹祭」を開催しました。雨の中、全国から800名が参加し、地元の室根小学校の生徒たちと1,100本の苗を植樹しました。西舞根川流域の環境保全活動も、間伐や下草刈りの整備を進め、植生が少しずつ回復しています。同時に、流域の自然を活かしたツーリズムの計画も進めています。
また自然のつながりの大切さを伝えるための絵本「『しぜん』ってなんだろう?」を制作し、WEB版も用意し小学校などで活用いただける予定です。
舞根地区流域の環境保全 5,600㎡
森は海の恋人では、研究者との協働で自然環境の調査を実施しています。
その一つとして、大気中のCO2濃度の測定を行っています。
森の中、海辺、湿地などの異なる環境においてCO2濃度がどのように変化するかを調べ、保全活動による自然環境の変化をモニタリングしています。
1月に引き続き、立ち枯れたアカマツとナラ類の除去作業を実施しました。
ドローンを使用し、上空から活動フィールドの立ち枯れ木の位置を確認し、危険性の高い順に処理していく予定です。
立ち枯れたアカマツとナラ類の除去作業を行いました。全国的に森林被害として知られているマツ枯れとナラ枯れ。どちらも昆虫が病原体を媒介することで発生します。立ち枯れた木は倒れてくる恐れがあり、また、病気が広がらないよう伐採をし、森が世代交代をする手助けをしています。
流域保全活動では、12月17日、18日に倒木の撤去作業や集材、薪割り作業を実施しました。活動エリアの西舞根川流域でも散発的にナラ枯れが確認されています。今後、ドローンを活用してナラ枯れの広がりを確認し、対策を考えていきます。
11月23日、流域保全活動のフィールド(西舞根川流域)に設置している動物調査用センサーカメラのデータを回収しました。
現在までに撮影された哺乳類は、ノネコを含めて10種類。ニホンジカ、ニホンカモシカ、タヌキ、ハクビシン、ニホンテン、アカギツネ、ニホンアナグマ、ニホンリス、ツキノワグマ、ノネコです。これにノネズミ類やコウモリ類を含めると、14種類ほどの哺乳類が生息していると予想されます。ニホンジカが写る回数が圧倒的に多いですが、継続して調査することでその変化をモニタリングしていきます。
10月22日に、舞根地区で倒木処理等の森の手入れのほか、森林内の大気中のCO2濃度を調べるための測定器を設置しました。CO2濃度は季節ごとや1日の間でも大きく変動します。活動を実施したことによる影響評価を行うほか、長期的なデータから、活動地域の森林がCO2をどのくらい固定しているかを推し量れればと考えています。