取締役 常務執行役員
人事部、関連事業統括部、サステナビリティ推進部担当
グループ理念を実現するサステナブル経営
近年、エネルギーを取り巻く環境は、中東情勢をはじめとする地政学的リスクやAIによる電力需要の高まりなどにより大きく変化しており、エネルギーの安定供給の重要性も一層高まっています。こうした変化が加速する中で改めて問われるのは、企業としてのサステナビリティへの姿勢です。当社グループは、20年以上前からグループ理念に掲げる持続的発展(サステナビリティ)を企業経営の中心に据え、安全操業・安定供給を基盤としながら、環境を重視した経営を推進してきました。このグループ理念に基づいた持続的な価値向上と発展の追求は、当社グループにおけるサステナビリティの根幹にほかなりません。
グループ理念そのものは不変ですが、その実現に向けた手段は、社会や事業環境の急速な変化に合わせて柔軟に進化させる必要があります。この考えのもと、当社グループでは2025年度よりサステナビリティガバナンス体制を見直し、従来のサステナビリティ戦略会議を廃止のうえ、経営執行会議への機能集約とサステナビリティ戦略委員会の新設により、実効性の高い推進体制を構築しました。当委員会にて審議された事項は、サステナビリティ連絡会を通じグループ各社へ共有する仕組みとし、グループ全体でサステナビリティ経営を推進する体制を整えています。
第7次連結中期経営計画の成果
第7次連結中期経営計画(2023年度~2025年度)においては、HRX・DX・GXの3つのテーマのもと、経営基盤の変革に取り組みました。HRXでは、処遇制度の見直しによる従業員の意識向上に加え、教育投資の大幅な拡充を推進しました。DXでは、データ活用コア人材の育成(Data Campus)や、DX案件の実装支援(DX-Hub)、全社員向けのDXフォーラムなど、全社員参加型のDX推進体制を構築し、「DX銘柄2025」に初選定されました。さらにGXでは、2050年カーボンネットゼロの実現に向けたGHG排出量の堅実な削減を進めるとともに、脱炭素を取り巻く外部環境の不確実性を踏まえたロードマップの改訂を実施しました。
これらの経営基盤の変革に加え、グループリスクマネジメントの強化にも注力しました。中東情勢の緊迫化といった地政学リスクの顕在化に際しては、社長を本部長とする危機対策本部を設置し、人命の安全確保を最優先とした対応を迅速に実施しました。現地からの退避方針の決定・周知や、状況に応じた意思決定・情報連携を行いながら、石油製品の安定供給に向けた取り組みを実行しました。現在もなお、安定供給に向けた対応を継続しています。
Vision 2035を実現するマテリアリティの取り組み
こうした第7次連結中期経営計画の成果と課題を踏まえ、当社グループでは、将来の成長と、あるべき姿の実現に向け、取り組むべき重点課題としてマテリアリティを特定しています。2025年度には、第8次連結中期経営計画の策定プロセスにおいて、社会課題の高度化や事業環境の変化を踏まえたマテリアリティの再評価を実施し、2026年度より以下の6項目に改訂しました。
マテリアリティの一つである「カーボンニュートラル社会への貢献」では、第8次連結中期経営計画の策定に際して改訂した2050年カーボンネットゼロへのロードマップにおいて、3つの社会シナリオを想定し、外部環境の不確実性に対する戦略的柔軟性を確保するとともに、自社の排出削減目標およびCI値低減目標、削減貢献量の目標を再設定しました。2050年カーボンネットゼロの実現に向けて、グループ一体となって取り組んでいきます。
また、Vision 2035の達成を担う人材の育成に向け「従業員のエンゲージメント・成長」をマテリアリティの一つと位置づけています。一人ひとりが心身の健康を維持し、達成意欲と働きがいをもって積極的に挑戦し、成長を続けることで、「事業の高度化」「自律的な成長」「高い生産性」を実現する人材集団への変革をめざします。
2026年度からスタートした第8次連結中期経営計画においても、Vision2035のスローガン「未来を変えるエネルギー、社会を支えるエネルギー、新たな価値を創造する。」のもと、サステナブル経営を推進していきます。
ステークホルダーエンゲージメント
こうしたサステナブル経営の推進にあたっては、多様なステークホルダーとの対話が不可欠です。当社グループでは、投資家の皆さまに対し2021年度より毎年ESG説明会を開催し、社外取締役も登壇するなど、サステナビリティの領域において積極的な対話および透明性の高い情報開示に取り組んできました。2024年度からは社外取締役によるスモールミーティングも開催し、対話の充実を図っています。さらに、取引先やパートナー企業との対話を通じたバリューチェーン全体での課題共有、地域社会との共生に向けた取り組みなど、幅広いステークホルダーとの協働を推進しています。
今後も、持続的な企業価値の向上をめざし、ステークホルダーの皆さまの声に耳を傾け、対話と協働を重ねることで、社会と当社グループの持続的成長の実現に取り組んでまいります。