COSMO

人権に関する考え方

当社グループは、すべてのステークホルダーの人権が十分に尊重されることが不可欠であると認識しています。そのため、企業行動指針において人権の尊重を明記し、人権の重要性と企業として人権を尊重する責任を示す人権方針を定めています。当社グループは、この人権方針に従い、人権尊重にコミットした事業活動に取り組んでいくことで、グループ理念の実現と持続可能な社会の発展に貢献します。

推進体制 

当社は、取締役会の監督の下、企業倫理に関する基本方針の決定、推進、実施及び確認並びに国内外のあらゆる人権侵害の防止・是正に向けた人権尊重への取り組みの推進、実施及び確認を行うための会議体としてサステナビリティ戦略会議およびサステナビリティコミッティを設置しています。

また、サプライチェーン全体の取り組みとして、サステナブル調達の仕組みの中でサプライチェーンに関する人権の対応状況についても調査を行っています。

人権デュー・ディリジェンスの実施 

当社グループは、2022年度に主要事業である石油製品のバリューチェーンを対象に、指導原則に沿った人権デュー・ディリジェンスを実施しました。人権リスクの特定と評価、改善策の立案(教育の仕組み構築等)を内容とするものです。書面/ヒアリング調査・従業員意識調査・外部情報に基づいて、顕在的・潜在的リスクおよび管理体制の脆弱性を評価し、石油関連事業における人権課題マップを作成しました。特定された人権課題に対し、是正・改善措置に取り組んでおります。

救済メカニズム

当社は、企業倫理・人権施策に関する活動を具体的に推進し、実行する組織として「コスモエネルギーグループ企業倫理推進室」を設置しています。また、社員の法令違反・社規違反等の不正行為及び倫理上の問題を匿名で相談・通報できる「コスモエネルギーグループ企業倫理相談窓口(企業倫理ヘルプライン)」を社内および社外に設置しています。

有識者ダイアログ 

当社の人権に関する取り組みについて、一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター(ヒューライツ大阪)松岡秀紀特任研究員をお招きし、当社の児玉サステナビリティ推進部長と意見交換を行いました。

 

児玉)当社は2021年12月に「人権方針」を定め、当社だけでなくサプライチェーン全体にわたって人権に取り組むことを表明しました。2022年8月~11月にかけて当社の主要事業である石油製品のバリューチェーンを対象に人権デュー・ディリジェンスの第一フェーズを実施しました。今後、グループ全体に範囲を広げていこうと考えています。当社の人権の取り組みについて、提言をいただければと思います。

 

松岡様)お話を伺い、2年前より随分取り組みが進んでいる印象を受けました。気になったのは、人権方針に記載されている重要な人権課題と、デュー・ディリジェンスで抽出した課題リストとでズレが生じている点です。また、例えばハラスメントや女性の権利の侵害、ジェンダーの問題などはいつ起こってもおかしくない深刻な問題ですが、リスクヘッジの仕組みが整っていることをもって「是正」されたと安心してしまうことのないよう留意が必要と思います。つまり「是正」は、指導原則では負の影響の是正の意味で使われているので、社内で混同されないよう留意が必要です。また指導原則では、リスクマネジメントのシステムに組み込む場合は「リスク」の意味内容を慎重に扱うことを求めています。10年前とは比較にならないぐらい状況は変わってきて、ここ数年はかなりビジネスと人権への関心が高まっています。まず企業としてどうなのかということに軸足を置きながら取り組んでほしいと思います。政府もさまざまに取り組み始めていますが、自社の事業活動に関わって最後に責任が問われるのは企業です。

 

児玉)我々が取り組むべき課題について認識することができました。本日は貴重なご意見をいただき、ありがとうございました。

一般財団法人アジア・太平洋人権情報センター
特任研究員 松岡 秀紀氏

サステナビリティ推進部長 児玉 孝樹

人権に関する外部機関への参画

コスモエネルギーグループは、東京人権啓発企業連絡会に参画し、様々な人権問題の解決に向けて取り組んでいます。

 

東京人権啓発企業連絡会は、東京に本社を置く企業を主体に123社(グループ企業を含め約150万人、2022年4月現在)で組織されている任意団体です。会員各社と情報交換を行い、社内研修啓発への取り組みや人権意識を高め、働きがいのある職場づくりなど企業の立場からまた企業に求められる人権の尊重の定着をめざしていきます。

人権施策の充実

当社グループでは、「人材」を価値創造の源泉と考えます。様々なバックグラウンドを持つ社員たちが多様性を活かして活躍できる職場づくり、より価値を創造しやすい仕組み作りに努めていきます。
連結中期サステナビリティ計画(2018年度~2022年度)では、「労働安全衛生」「ダイバーシティ」「人材育成」を重点課題として目標・KPIを設定し、労働時間の適正管理と健康診断・ストレスチェック実施等による社員の健康維持、女性や障がい者をはじめ多様な人材が活躍できる環境づくり、研修や自己啓発メニュー充実による社員の能力向上施策に取り組みました。

2022年度 連結中期サステナビリティ計画(2018年度~2022年度)の取り組み実績と評価

テーマ主な活動施策・目標2022年度実績評価
労働安全衛生健康増進
  • 健康診断受診率 100%
100%A
長時間労働削減
  • 総労働時間を所定労働時間以下
    (日勤1,811時間、交替1,826時間)※1
1,939時間
(前年比+3時間)
C
 
  • 有給休暇取得率 100% ※1
93%
(前年比+2%)
C
ダイバーシティと機会均等多様な人材の活躍
  • 基幹職女性管理職比率  6% ※2
    (2023年4月時点)
6.70%A
  • 新卒学卒女性採用比率 50% ※2
    (2023年4月時点)
60%A
人材育成社員の能力最大化
  • 研修費用1人当たり50,000円 ※2
100,000円A

評価(対中計目標) A:計画通り進捗 B:一部進捗に遅れ C:未達 -:評価対象外

※1 コスモエネルギーホールディングス、コスモエネルギー開発、コスモ石油、コスモ石油マーケティング (コスモエンジニアリング、コスモトレードアンドサービスからの出向社員を含む)を対象としています。

※2 コスモ石油株式会社が雇用元の社員を対象とし、社外への出向者を含んでいます。

労働環境改善への取り組み

当社グループは、基本的人権の尊重、差別の禁止など、労働環境改善に向けた取り組みを実施するとともに、各職場の実態を把握する取り組みとして、「従業員意識調査」を毎年、実施しています。
従業員の賃金については、国内外を問わず関連法令を遵守した基準を上回る最低賃金基準以上で支給しています。
また、社会の取り巻く状況を踏まえ、職場環境の改善、福利厚生等の充実、賃金支給額の向上を図るよう努めています。

コスモ共済会

コスモ共済会は、コスモ石油株式会社および主要関係会社の従業員をはじめとする役職員を対象とした会員およびその家族の福祉向上を期することを目的に、給付事業、融資事業、その他、本会の目的を達成するため必要な諸事業を実施する団体です。
出産・育児休職給付金、介護休職給付金等各種給付事業のほか、教育資金、災害復旧資金等、各種生活のための融資事業も実施しています。